スマホで聞く戦争と和解の歴史、カウラ事件75周年で新アプリ

日本とカウラにおける戦争と和解の歴史を次の世代につなげていくためのスマホ用アプリ「Cowra Voices」が完成しました。 2019年7月30日放送。

Cowra Japanese Cemetary Source: Cowra Voices

Cowra POW camp Source: Cowra Voices

太平洋戦争中だった1944年8月5日未明に起きたカウラ脱走事件。今年で事件発生から75年を迎えます。この事件では日本人捕虜234人と、オーストラリア人兵士4人が亡くなりました。

事件の起きたニューサウスウェールズ州カウラ市は戦後、日本との和解に向けた取り組みを草の根レベルで続け、今では平和と友好の町としても知られています。

カウラ市を訪れた人は今回完成したスマートフォン用アプリ「Cowra Voices」を使うことで、カウラ市にある世界平和の鐘や日本人戦争墓地、日本庭園など歴史的な観光地10カ所について、地元の人の「語り」を通して、その歴史的な知識を深めることができるようになっています。

75周年の記念日に先立つ8月3日に、カウラ市のシビックセンターで、ビル・ウエスト市長出席の下、アプリの完成発表会が行われる予定です。「Cowra Voices」は同日から無料で利用することができます。

きっかけは埋葬者のデータベース作り

Cowra Voicesの制作のきっかけとなったのは、今年5月に完成した、日英両言語でのカウラの日本人戦争墓地の埋葬者についてのデータベースとウェブサイトの作成事業でした。

音声では、Cowra Voicesと日本人戦争墓地のデータベース・ウェブサイト作成事業の両方に携わった、シドニー在住のメディア・アーティスト金森マユさんと、データベース・ウェブサイト作成チームの中核メンバーの1人である、オーストラリア国立大学アジア太平洋学部客員研究員・田村恵子さんにそれぞれお話を聞いています。

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