昆虫を食べるという行為は、世界的に見ても珍しいことではありません。アジアやアフリカ、南米では、盛んに昆虫食が食生活の一部となっています。日本社会でも一昔はイナゴの佃煮を食べる家庭も多くありました。しかし、現代の日本社会で、昆虫を食材の選択肢に入れている家庭は極めて稀だといえるでしょう。
「牛、豚、鶏、そしてBug(虫)Mo(も)食の選択肢に入ることが当たり前になる、100年先も続く食の文化を作りたいという思いからこう名付けました。」
こう語るのは、コオロギの粉末を練りこんだプロテインバーを開発し、昨年11月から販売を開始した日本のベンチャー企業。プロテインバーの味は、チョコレートと抹茶の2種類で、ナッツやドライフルーツなども含まれています。
Bug Moは、コオロギについて、牛や豚など従来のたんぱく質源とは異なり低脂質な上、亜鉛、鉄分、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB12などの栄養素を豊富に含むと話しています。
さらに、この製品は環境にも優しいのが特徴です。現在の畜産業は、熱帯雨林を伐採したり、水やエサの消費量が高く、地球上の限りある資源が使われています。一方のコオロギは少ない水や飼料で飼育ができるということです。
2013年、国連の世界食糧農業機関Food and Agricultural Organisation (FAO)が、昆虫に食べ物としての価値があるというを発表。人口増加に伴い従来のタンパク質源の消費は年々増加する中、飢餓や栄養失調などの問題解決に役立つとして、昆虫食が再び注目されています。